前作の映画「メリーポピンズ」は観ていないのだけど(親曰く子供の頃に観たらしいけど)、2018年春に観た舞台が素晴らしかったので、すごーく期待して観に行った。
いつもよりちょっとだけ色鮮やかに感じる帰りの電車で、勢いで感想書いてます。
※ネタバレ含みます。
前作で「バンクス家の子供達」だったジェーンとマイケルが大人になって、マイケルは結婚して子供が3人。1年前にマイケルの奥さんが亡くなってから何もかもがうまくいかないバンクス家の元に、メリーポピンズがやって来る。
母を亡くして1年、子供心を封印して大人にならざるを得なかった子供達を救いに来たのかと思いきや、メリーの言う「バンクス家の子供達」はあくまでジェーンとマイケルの様。最終的に、子供達以上に特にマイケルの表情がすっかり変わっていて印象的だった。
物語、特にファンタジーにおいて、「それまで知らなかった新しい世界に触れる」ってシチュエーションが大好き。映画「メリーポピンズ・リターンズ」では、全編通してその連続だった。物語の舞台は魔法界でも中つ国でもないのに、メリーポピンズの見せる世界は新鮮で鮮やかで、バンクス家の暮らすロンドンの灰色の街並みとの対比が本当に美しかった。でも本当は、「新しい世界」じゃなくて「目の前にあるのに見えてなかったもの」なんだよね。
私の生きている世界も見方を変えれば、私が変われば、全然違う色に見えるのかもしれない。私もその気になれば、何だって出来るかもしれない。観た後に前向きな気持ちにさせてくれる映画っていいよね。
表情がよく分かるからか、舞台で観たよりもメリーポピンズがちょっと人間味ある気がした。ちょっとした表情にマイケルを想う気持ちが透けて見えて、子供達に触れる手に凄く温もりを感じた。
陶器から子供部屋に戻ってきた子供達を寝かしつけるシーンのメリーポピンズの温かさに泣けたし、メリーポピンズから受け取った温もりをもって父親に接する子供達にも泣けた。
最後、春祭りの風船でみんなが飛ぶシーン、メリーポピンズが混ざらないのもちょっと切なくて印象的。彼女無しで鮮やかな世界を見る事が出来るようになったら、もう彼女の助けは必要ないんだね…。彼女の表情もちょっと切なくて、でも清々しくて、本当に後味の良い映画だった。
わりと普段から、「自分が本気でその気になれば、何だって出来るし、何処にだって行ける」と思って生きてるんだけど、明日からは「世界の色も自分で決める」くらいの気持ちでいきたいと、観た後になんだか無駄に強気な気持ちになった(笑)
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